9月入学

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父の同窓会名簿

もう5月。1年の半分近くが過ぎたというのに、今年は年明けから新型コロナウィルスに世界中が振り回されている。

緊急事態宣言で自粛、学校も閉鎖されている中、「9月新学期」が急浮上してきた。その良し悪しは私にはわからない。

 

ところで、写真は亡き父の同窓会名簿だ。父は中国、青島に生まれ、小学生時代は天津で過ごし、中、高等教育は大連で受け、終戦をむかえた。

父は、大連高等商業学校の第7回の卒業だ。

父の兄(私の叔父)は第3回の卒業。

この同窓会名簿に載っている叔父や父の名前を探しているうち、ある事実に気付いて胸がいたくなった。

以下、この同窓会名簿に記載されている卒業年月を並べます。

 

第1回 (昭和15年3月卒業)

第2回 (昭和16年3月卒業)

第3回 (昭和16年12月卒業)

第4回 (昭和17年9月卒業)

第5回 (昭和18年9月卒業)

第6回 (昭和19年9月卒業)

第7回 (昭和20年8月卒業)

第8回 

第9回 (昭和×年×月卒業)

 

気づいたでしょうか。

第3回は12月になっています。昭和16年12月といえば真珠湾攻撃、太平洋戦争開戦です。そして父の卒業第7回は昭和20年8月、敗戦の時です。

若者たちが、戦争という、国家非常事態に翻弄されたことが、この薄っぺらな冊子からも見えてきます。

 

今回の9月新学期制度への移行は、概ね賛成者が多いようですが、当事者である子どもたちには不評のようです。

それは、9月新学期の良し悪しというよりも、国家非常事態に子どもたちを利用するな、という当事者たちからの本能的な声ではないかと、私には思えます。