画家は誰?(塾長の骨董品の続き)

骨董屋さんに売り渡すものと、手元に残しておくものとを選別していた。
塾長が
「皇后様の絵があるけど、高貴な方の絵だからきっと高価なものにちがいない。」
と、言う。
「どの皇后様?」
と、私。
「わからん。」
「・・・」
正直言って、天皇家に興味はないし、肖像画にもあまり興味はわかない。
でも、塾長が「皇后様」「皇后様」と、しつこく言うので、
塾に持って帰ることにした。

木箱から絵を取り出し、眺める。
やっぱり、面白くない肖像画だと思った。
冷たく硬い感じがする。
「皇后様の絵だから、高いよ。価値あるよ。」
と、塾長はお気に入りのよう。
絵に値がつくかどうかは、画家の力じゃないのかな〜?
と、思いながら、サインを探した。

絵の裏に「五姓田芳雄謹画」とある。
検索してみるが、よくわからない。
というのも、五姓田芳雄で検索しているのに、なぜか
五姓田芳柳ばかりが出てくるのだ。
それで、今度は五姓田芳柳で検索すると二人出てくる。
五姓田芳柳と五姓田芳柳(二世)。
どちらだ?
ところが、この二人だけではない。
五姓田義松という人物の名前がたびたび出てくる。
「五姓田」で検索すれば、まず出てくるのは義松だ。

一体、この三人の関係は?
そして、この皇后様の絵を描いたのはこの三人のなかの
誰?

皇后様を描いた1枚の古い肖像画から、
次々と謎が出てくる。
わくわくするような謎解きがネットのキーワード検索から
始まった。


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