塾長の骨董品

akira20082008-09-05

ここの塾長は面白い人だ。
パソコン好きなので、科学一辺倒の人かと思いきや、
骨董品集めが好きだったりする。
(ガラクタ集めという説もあるが)

あるとき、たまりにたまった骨董品を整理することになった。
面白いもの、いわくありそうなものが山とある。
売ってしまうのはもったいないと思ったが、使いもしない骨董品を
置いておくだけのために部屋を借り続けるのも大変だ。
気に入ったものがあれば売らずにおいておくから、ということで、
私も塾長の骨董部屋へごいっしょさせていただいた。

実を言うと、私は古いものや絵を見るのが大好き。
想像がどんどん膨らんでゆくのが楽しい。

半年以上前だったか、公園で塾長の仕事が終わるのを待つ間、
「暇だろうから、これでも見ながら時間つぶしといて」
と、ぐるぐる巻きで赤茶けたボロボロの和紙のかたまりを渡された。
恐る恐るゆっくりと丁寧に虫食いだらけの和紙を開いてゆくと、
それは100年も前の浮世絵だった。
一枚いちまい見てゆくうち、ぞくぞくしてきた。
並みの作家ではない!
こんな素晴らしい作品を、まるで子どものお絵かきを適当にしまいこんでいたような
そんな扱い。
でも、それは塾長のせいではなく、
塾長の前の持ち主が、浮世絵に大した価値を見出していなかっただけのこと。

息を呑むようなすごい筆致のこの作者はもしかして・・・
絵師の名前を確認すると同時に悲鳴を上げたいほどの興奮に包まれた。
私の大好きな「芳年
まさか、本物の版画にお目にかかれるとは夢にも思わなかった。

こんなお宝を、塾長はどこで手に入れたのだろう。
草津のとある旧家が解体されるとき、
膨大な骨董品(先祖代々引き継がれてきたものばかり)の山に、
途方にくれ、処分すると言うのを、
塾長がひとまとめでお安くいただいてきたというのだ。

この旧家のご主人には骨董品を見る目がないのか?
いえいえ、とんでもない。
浮世絵以上に素晴らしい骨董品があるからこそ、なのでしょう。
それらは、ちゃんとご主人が保管されているそうです・・・ほっ。

あら?
塾長の骨董部屋のお話は・・・
この次に。


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