科学的
小学5年生だったか、6年生だったか、理科の授業でのこと。
この先生の授業は面白かった。
実験の前に、どんな結果になるか、予想させられるのだ。
実験後に先生の説明があり、予想通りの結果が出たのか出なかったのか、なぜそうなったのか、先生の説明はいつも楽しかった。
おかげで、いつの間にか理科が好きになっていた。
その日の実験は、塩水を沸騰して蒸発させた時、湯気はしょっぱいか、どうか。予想は半々に割れた。私は、わからなかった。
みんなでチビリチビリ冷やして水滴となった湯気を舐める。
味がしない。量が少ないからかな~と迷っていたその時、リーダー格でお勉強の良くできる子が
「うん!しょっぱい!」
と、自信たっぷりに言った。
つられるように、次々皆が「しょっぱい!」と言い出した。
私は「味がしない。」と、言う自信がなくて、黙ってしまった。
で、クラスでは実験の結果、「食塩は水と一緒に蒸発する」という結論を出したのだが、当然のことだが、先生は烈火のごとく怒りだした。先生が怒ったのは後にも先にもこのときだけである。
私は黙っていたけど間違っていなかったのに、その事をひどく怒られた。最初に「しょっぱい!」と言った子より、それに追随してしまった私たちを強く戒めた。
あれから55年。
今ごろになって、あの時の先生が言わんとしたことがわかってきた。
非科学的な対応で作り出されてしまったコロナディストピア。
市民が追随する限り終わらない。
いつか読もうと思って未だ読めていない寺田寅彦。
随筆で、天災などの際に発生する流言蜚語を厳しくいましめているそうです。科学的に冷静に対処せよ、と。
「流言蜚語の現象は言い出した人々以上に、それに右往左往する市民の責任だ」
と、書いているそうです。
私は、日本のコロナディストピアは酷いと思っていたが、欧米はもっと酷い状況になっているらしい。
コロナ騒動が始まって、ありとあらゆるブログを読むなかで、荒川央(アラカワヒロシ)さんのブログを見つけた。
科学者として、せめて正しい科学的情報を、と、ブログを始められたそうだ。
いつもは科学的情報がほとんどだが、先日、初めてご自分の主観でイタリアの状況を書かれた。
それを読んで、私は涙が出るほど感動した。
専門家の先生がこれ程厳しい状況の中でも科学的情報を発信され続けておられるのだ。
誰に目をつけられることもない、誹謗中傷されることもない、ただのおばさんが、黙っているわけにはいかないでしょ!
勇気を持って発言しなくては。
「ワクチン打たないで!マスクはいらない!外出規制必要ない!ワクチンパスポートいらない!」